【お知らせ・情報の一覧】
企業分野で支援活動するキャリコン仲間を増やしたい
先日、岡山キャリアコンサルティング勉強会に誘っていただきました。こちらの会では、岡山市内で定期的に集まって勉強会をされていましたが、現在はコロナ対策のためにオンラインで実施されています。その際、中四国のキャリアコンサルタント16名の方々が集まった(オンラインの)場で、お話をする機会を得ました。
ハローワークを卒業してひとり事務所を構えることになった経緯や、契約先企業とどのようにつながったのか、安定した収入が得られているのか、組織を支援する上での難しさや私が大事にしていることなど、精一杯お伝えしました。
キャリアコンサルタントという同じ志の仲間に、企業分野でジタバタしているひとりのキャリコンの生きざまを知ってもらい、これも悪くないなって思ってもらえたら、というのが私の企みでした。
結果、皆さんに好意的に受け止めてもらい、「刺激になった」「自分も出来ることからやっていきたい」などの感想をいただけました。
日々、企業に入って労働者の方、現場リーダーの方、人材育成担当者の方、経営者の方、さまざまな立場の方のお話を聴き、整理し、組織の向かうべき大きな方向性に統合させていく、という活動の中で、知識・経験不足に毎日ブチあたります。
勉強会の中でも「ピンチ!と思った経験はどんなことか?」と質問をいただきお答えしましたが、
毎日が“ピンチ”なわけです。
ハローワークでの支援のように、就職活動中の場面、と決まったステージでの支援ではなく、新卒から定年、再雇用からの本当の意味での労働市場からの引退まで、働く労働者の方の支援においては、ステージも多ければ多様性もどんどん広がっています。
さらにコロナ渦という状況も手伝って、教科書どおりの支援など存在しないのでは??というレベルで、まさに毎日がピンチです。小手先の知識・経験ではどうにもならないことが多いと感じます。
「キャリアコンサルタントとして以前に、人間力が大事だと感じた」という感想もいただきました。
どう対処するのか、分からないままどんどん対処していけば、引き返せない事態になる恐れもあり、正解がないこともそのときの最適解を担当者の方と脳みそに汗かきながら、一緒に考えるという誠実さはもちあわせておきたい、と思っています。
毎日ピンチのハラハラ感と、ほかに出来ることはなかったのかというモヤモヤ感を抱えています。
学びの自転車操業は、ここ数年フル回転です。
ただ、経営者の方はもっとそうだと思うのです。
誰よりも自分の会社を我が子のように大事に思っておられ、いろんな手立てをうち、思った結果にならず、もしも会社が・・・と考えると、(社員もその家族までもどうなってしまうのか?)と、ハラハラとモヤモヤを抱えておられるのだと思います。せめて、一緒に悩み考えていきたい。
勉強会の中で、「桑本さんはハラがくくれている」などの評価もいただきましたが、この4月で企業の支援活動を始めて7年目になります。最初からハラがくくれていたわけではないように思います。
自分に出来ることの引き出しを増やす努力も精一杯しているのに、それでも毎日新しいピンチに見舞われる。ベストを尽くしても思ったとおりになるわけではない、ということを受け止めることが出来るようになったのは、ここ最近のように思います。
そこにはいつも、自社のピンチの場面で自社の仲間たちのために、必死にもがいておられる担当者の方や経営者の方の姿がありました。
キャリアコンサルタントがしんどいなんて、口がさけても言えません。
博愛病院さんで新入職員研修をさせてもらいました
4月1日、新年度の初日、米子市内の博愛病院さんで新入職員研修をさせてもらいました。
法人理念から具体的に行動ことばを考えていく重要性や、日々それを実践していく意識など、少し難しい話もしました。もちろん学生と社会人の違い、会社が働く人に求めていること、報告・連絡・相談のコツなど、基本的な話もしました。
また、付き合う友人を選んできた学生時代とは違い、関わる人を選べない社会人としては、人を受け入れることについても、理解を深めてもらいました。
ワークシートをつかって仕事をする上で大切だと思うことを考えてもらい、そしてなぜそれを大切だと思うのか、の理由についても考えてもらいました。ワークシートに記入したことを発表してもらい共有してみると、大切なこともその理由も、本当に人それぞれ違う、ということを感じていただけたと思います。
研修会場にいる同期の仲間でも価値観は違うのだから、各配属先の上司や先輩、来年入ってくる後輩、みんな違います。
契約先企業の社員さんでは『合わない上司がいるから配属先を変えてほしい』という相談が最近増えているように思います。『“合う”ことの方が少ないのでは?』と考えられるのは、ある程度社会人生活の長い方なんですね。私自身で振り返っても、苦労しながらも何となく『そういうものだ』と体験的に学習してきたのだと思います。
“職場なんだから合わない人がほとんどだ”と考えていたら、最初から受け入れるしかない、と思えます。また“合う”上司・先輩とめぐりあったとき、それを当たり前と思わず、その人から学ぼう!と思えます。
今回の博愛病院さんは、新人研修だけでなく、年間とおして系統立てられた研修計画がたてられており、人材育成への姿勢がすばらしいなと感じます。私の中でのホワイト企業の1社です。
そんな企業を就職先に選んだ今回の新人さんたち。
『キャリアデザインについても、講義の中でふれましたよね。これからは、自分のキャリアは自分でデザインしていくのです。未来は、あなたの考え方、捉え方次第です。ようこそ、社会人!』
そんなこんなも含めて、働くって楽しい!と思える人を今後も増やしていきたいです。
キャリアコンサルタントの更新講習しています
キャリアコンサルタントは、国家資格化されて5年をむかえます。
更新をするためには、知識講習を8時間以上、技能講習を30時間以上受ける必要があります。
知識・技能の継続的な自己研鑽に努めることで、資質を保証しようというものです。
今回は『中小企業における効果的なキャリア形成支援』という更新講習の講師を務めました。
朝9時半から夕方4時半までのZOOMを使ったオンライン講座です。全国から18名の方に参加いただきました。
朝の自己紹介で『就職支援ではなく、企業内の領域で活動をしていきたいが、それを学ぶ場が少ないと感じていたので、題名を見て受講を決めた。』と教えてくださった方がおられ、身の引き締まる想いでスタートすることができました。
キャリアコンサルタントの育成の分野で、私が出来ることって何だろう?
更新講習で、私が語る意味って何だろう?
私が日々行っている企業支援の現場のリアルと理論をつなげてお伝えすることかなと、私なりに考えています。中でも、中小企業の経営者の方に、キャリア形成支援にお金と時間をかけるメリットを伝えられる“口をもつ”ことが、私たちキャリアコンサルタントには大事だと常々考えているので、それを講習の中でお伝えました。
講習後、受講いただいた方からメールが届きました。
『鳥取県で、キャリコンとして独立起業できていることに驚いた。田舎の会社では、キャリア形成にお金をかける意識が低いと感じていたが、課題の解決に向けた提案が出来ていなかっただけで、こちら側のやり方の問題だと感じた。机上の話ではなく、現場の話が聞けて実務レベルで参考になった。私もキャリア形成の重要性が説明できる、“口をもつ”ことに磨きをかけていきたい』
とてもとてもうれしかった。
自分の中で(本当にこれでいいのか?)とやっていたことが、私がこの講座をする意味が明確になった瞬間でした。
企業分野で活動するキャリアコンサルタントが、もっともっと増えたらいいのにと考えています。
私の企業分野での活動について具体的にお伝えすることで、自分もやってみよう!と思ってもらえるきっかけにしていきたいと思っています。
何かを変えたいときの最初の一歩
『他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。』
これは、カナダの精神科医エリック・バーン博士のことばです。
『他人と過去は変えられない』ということも、『自分と未来は変えられる』ということも、ことばにしてみると、ごくごくアタリマエのことだと頭では理解できます。
企業への訪問支援でカウンセリングをしていると、こんな方が多くおられます。
『あの時、あの人があんなことを言ったから、私は自分の意見が言えなくなってしまった』
と、過去の出来事に囚われたまま、『変えられる自分と未来』は何もしないで嘆いている。
『まずはあの上司が言い方を直してくれないと、職場の雰囲気なんてよくならない』
と、他者が変わる方が優先だと、『変えられる自分と未来』は何もしないで嘆いている。
ごくまれに、同じような経営者の方に出会うこともあります。
『わが社の社員は全体的にモチベーションが低いんです。成長しようという意欲が感じられない。育った環境なのか、これまでいた会社の影響なのか・・・。まずは社員がヤル気になってくれないことには、会社としての人材育成も意味がないんです。』
あれ(過去)のせいで、あの人
(他人)が変わってくれないと、自分は変われない。
過去そのものを変えることは出来なくても、過去の“価値”や“意味”を捉え直すことはできます。
あの時(過去)、あの人(他人)があんなことをした(言った)から、そのおかげで今の自分がある。
すべてのことに意味がある。と、考えてみると、なにか変わってきませんか?
過去と他人を捉え直して認めたとき、自分と未来を引き受けることができます。
望む未来をつくるために、自分にできるなにか、を一緒に考えていきましょう。
キャリアコンサルタントの息子が選んだ就職
わたくし事ですが、息子が就職します。
本人がとても行きたがっていた都内の私立大学に落ち、横浜の公立大学に進みました。
大学は学問を学びに行くのではなく、社会に放り出される前の『生き方学習』の4年間として体験してくるように、と教えていました。そのためにかかる費用を親が負担するのだから、留年はゆるさない。逆に留年さえしなければ、すれすれで構わないから要領よく単位を取ること。そういったことも、社会に出てからきっと役に立つから、と。
それ以外のルールは、
① 部活やサークル活動に打ち込む
② すてきな恋をする
③ さまざまなアルバイトを積極的に体験する
4年間、①~③の教えを守りつつ、いろんな体験をした息子。
③のアルバイトでは、時給がいいからと家庭教師の会社の営業職を体験し、訪問したご家庭のご主人に怒鳴られて帰ってきたり、契約がとれずに社長に怒られたりといろいろあったようです。
そんな経験を経て、3年生のときには『お母さんのような仕事にも興味がある』と、キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの養成講座にも通いました。またコロナで大学の授業もオンラインになった頃には、プログラミングも勉強しておきたい、とオンラインの講座で学びました。
そんな息子が就職先に選んだのは、『評価制度』の導入支援を行うベンチャー企業。
全国に支社のある会社だけど、本社配属になったようなので、またしばらく会えません。
大学3年生、コロナ発生前のお正月に帰省したのが最後でした。
めでたく卒業、4月1日は入社式だそうです。
『息子へ』
誕生日、おめでとう。 卒業、おめでとう。 就職、おめでとう。
ああ、こんなにめでたいことづくしなのにね、この春はコロナちゃんのせいで一緒に過ごせないね。
でも、おかげで子離れするしかない状況になって、一人でいろいろ考えています。
離れて暮らすようになってこの4年間、大きなケガも病気もなく、事件や事故に巻き込まれることもなく過ごしてくれました。何かあっても駆けつけるのに時間がかかる距離で、母はただ(何ごともありませんように)と祈っていましたよ。
一方で「毎日が夏休み!」と、のたまった君は、大学生活をちゃんと楽しんでくれました。
こないだの電話で、「負け惜しみでなく、行きたかった大学ではなくて今の大学に進んで良かった。バイトも、ファミレスの面接に落ちて、そのおかげで家庭教師営業のバイトで泣くほどしんどい想いも体験できて良かった。結果、今の会社の営業職を選ぶことにつながった。僕は本当に運がいい。」
って聞いたときには、ハズカシイけど、「いい子に育ったなぁ」なんてかあちゃん泣けてきたよ。
これからも、何があっても“想定内”。社会人は「毎日が夏休み!」とはいかないと思うけど、きっと毎日いきいきと仕事に向かうんだろうなー。
「働く人」の支援をするという共通の仕事を、東京の息子も頑張っていると思うと、鳥取にいるかあちゃんも背すじののびる想いです。
ありがとう。そして、おめでとう。