思うこと | くわもとキャリア設計事務所-桑本玉枝      

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うっかりパワハラ加害者にならず、支援者側になるために

このブログを読んでくださっている企業の労務管理担当者の方から

「パワハラに関すること多いよね」とご指摘いただきました。はい、たしかに多いと思います。

 

社員さんの生産性向上のために、面談やキャリア研修を実施しているわけですが、実際の相談場面では

「このまま放置していると、パワハラ問題に発展しそうな案件」

もしくは「既にパワハラ問題に発展しつつある案件」が非常に多いと感じます。

 

実際にその上司の方の言動がパワハラかどうかは別として、部下は何らかのメンタル不調を訴えており、その原因と思われるのは、上司の方の「悪気はなかった、そんなつもりで言ってたんじゃない」というものです。

 

下記の図はメンタルヘルス研修などでよく使われる職業性ストレスモデルです。

一番左の【仕事上のストレス要因】これが上司による(部下を思って悪気なく)繰り返された嫌味や(同じ失敗を繰り返さないようにと部下を思って、でも結果的に)人格を否定するような叱責などです。

 

図の左から右に進んでいくと、上から【個人的要因】つまりもともとの性格や考え方の偏りなども影響し、さらに下から【仕事外のストレス要因】も重なって、【ストレス反応】として心理的反応や生理的反応(身体症状)、行動化(遅刻や欠勤、事故など)が出始め、手を打たなければ【メンタルヘルス不調】へと進んでしまうわけです。

ひとつだけ赤字で示されている【緩衝要因】上司、同僚、家族からの支援とあります。

赤字で示されているのは、仕事上・仕事外のストレス要因があって、個人的な要因も重なったからといって、すぐにストレス反応へとつながるのではなく、そこに緩衝要因として支援を受けることで、ストレス反応を抑えることができる、ということを示しています。

 

この緩衝要因の中に、外部のキャリアコンサルタントである私も入ると思っています。

緩衝要因として支援する以上、その社員さんのストレスの原因がパワハラにあたるか否か?!を判断して対処するのではなく、まずはそのパワハラをうけた(と感じた)社員さんの気持ちや身体的な状態をていねいに聴き、どうするのがいいのかを一緒に考えます。

 

メンタルヘルスの問題として寄り添ってていねいに支援をしていくことで、原因がどうだったか(あの上司のあの言動がパワハラだったかどうか)ではなく、心身ともに健康で働きつづけるために自分がどうあるべきか、に気持ちが向いていきます。

 

カウンセラーやコンサルタントでなくても、ともに働く仲間として誰でも【緩衝要因】になることは可能です。お互いに助け合い声を掛け合うことで、働きやすい職場を自分たちでつくっていくことにつながるのだと思います。

魅力ある職場づくりのひとつになりはしないか?

「4人に1人が不妊退職」来年の保険適用&助成金で変わるのか?!
というネットのニュースを見かけました。
私がハローワークで職業訓練を担当していた10年前も「不妊退職」はけっこうおられました。おそらく私が女性相談員で言い易かったことや、数か月の訓練を得て再就職という、少し長期的なプランで相談するケースが多かったのも、話題になりやすかった理由だと思います。

当時は、離職されてからの不妊治療と就職活動の両立支援。
いま現在は、契約先企業で在職中に不妊治療と仕事の両立支援です。
それぞれに悩みどころ・やりづらさ、少しずつ違いますが、デリケートな問題なだけに、周囲に相談できずに抱えがちという点では共通するように思います。

また4人に1人が退職しているということは、退職に至らないまでも不妊治療をしている人はもっと多く、その分悩んでいる人もたくさん存在するということです。

ネットニュースの見出しにあるように、国も実態は把握しているからこそ保険適用という金銭的な負担を減らそうという動きがあります。不妊治療は医療機関や通院回数、また「人工受精、体外受精、顕微鏡受精」と段階によっても負担額は変わるので、保険適用になると本当に助かるという人は多くいると思います。ただ、退職をとめることができるのか、という点では保険適用だけでは難しいと感じます。

痛みを伴う治療や検査に加え、注射やホルモン療法などで、吐き気やめまいがあり、午前中受診し午後から出勤の予定がそのまま欠勤になるなど身体的負担が、人によっては大きいようです。
また「今月も妊娠しなかった。いつまでこの治療は続くのか」といった精神的な負担も大きい。
さらに、急に決まる通院日のために職場に迷惑をかける、また周囲の人の目が気になるといった精神的負担もあります。

もちろん、誰もが結婚して子どもをもつべきという風潮をつくるという意味ではありません。結婚する・しない、子どもをもつ・もたないは、いろんな考えがあって尊重されるべきです。

ただ、働き手不足のいま、鳥取県内で求人を出しても応募者がいないという状況の中で、これだけの人たちが不妊治療と仕事の両立に悩んでいる実態をどう解釈し、魅力ある職場にしていくかは考えてもいいタイミングなのかなと思います。

これが正解はないですが、求人を出すさいに、
「働く人みんなが安心して働ける職場づくりを目指して、模索中の〇〇(会社名)です!」
という打ち出し方もアリなのかなと思います。

こころの成長痛

日々、個人や組織の成長のお手伝いをしごとにしつつ、2021年度は私自身も成長の年と決めています。

コロナ渦で社会人1年目を体験している長男に負けられない!というのもありますし、

看護科に進んだ次男に、しごとに通じる学びを継続する姿を見せたい!というのもあります。

 

いや、後付けかな(笑)

1ミリずつでも前に進んでいる感じがないと、私自身が落ち着かない、と表現した方がしっくりくるかもしれません。なんにせよ、欲張って今年はいろんな学びに手を出していて、ひーひー言っているわけです。

 

先日、一度は理解したかもしれないけど、実践を繰り返す中で実は大きく道を外れていた、ということに学び直してみて気が付きました。

 

身動きがとれないほどのショックをうけました。

 

情けなさ、恥ずかしさ、申し訳なさ、くやしさ、いろんな気持ちがまざって、久しぶりにおいおい泣きました。

先生には『高く飛ぶには、深く屈むことが必要です』とのお言葉をいただきました。

ただ今回もっと深くて気持ち的に近いところで支えてくれたのは、キャリアコンサルタントの仲間たちでした。仲間たちのあたたかい支えがあって、先生のことばがすっと入ってきました。

 

深い学びと気づきは、私が高く飛ぶために必要な試練だった、と思えた瞬間、世界に色が戻った気がします。

 

これは自分の問題だ、この出来事には意味がある、

と捉えられたことはすべて、成長につながっていくのだとあらためて思いました。

 

たまえ50歳、現在、絶賛成長痛中。

 

気づいてしまったら泣けてきた

先日、キャリアコンサルタントのある講座を受講したくて、書類選考を受けました。

その選考課題のひとつに、

◆自分の志(なぜ私はキャリア支援の仕事をするのか、何を実現しそれは私の何とつながるのか

という項目がありました。

 

いろんな場面で自己紹介をすることは増えていて、現在の仕事内容やそこで大事にしている価値観などは、自分の中でも整理できています。

ただ、今回のこの問いに真摯に向き合ったことで、あいまいだった根っこの部分がむき出しになり、そしてまさに今の自分自身とつながった衝撃をうけました。

 

30代前半のころ、仕事の関係でたまたま大学生と一緒に受講した、キャリアに関する講座をきっかけに、キャリア支援を仕事にしたい!と思いました。それからキャリアコンサルタントの養成講座を受講し、資格を取得し、ハローワークでキャリア支援の仕事をし、1級技能士に合格したタイミングで、企業分野でのキャリア支援にシフトしました。

 

独立起業したから「今後はすべて自分の責任でやっていかねば!」という気負いが強まり、この7年全力投球してきたのだと思っていました。この“問い”にあうまでは。

 

選考課題の文章を何度も読み返すうち、これまでのことが一気につながりました。

私が中小企業のキャリア支援をヒリヒリするような想いで全力投球してしまうのは、鳥取県内で従業員30人ほどの会社を2代目として経営していた父の姿を見ていたからだと。

 

母は経理を担当し、私も幼い頃から会社事務所で社員さんたちにかわいがってもらい、もの心ついた頃には家庭で経営会議のようなことが行われるのも自然なことでした。今思えば、その頃は家庭内においても、会社の財務の問題、事業そのものの問題、人や組織の問題など、身近にあったように思います。

私が中小企業のキャリア支援に没頭するのは、父がいつも悩み考えていた、従業員がいきいきと働ける職場づくりをしたい、ただそれだけだなと。私の根っこにあるのは、それ以上でも以下でもないなと気づきました。

 

実現したいのは、労働者一人ひとりがいきいきと働ける職場づくりです。そのために、従業員さんに面談という形で直接かかわることもあれば、会社を我が子のように大事に思っておられる経営者の方と、一緒に考えるという役割りも大切にしています。

 

人や組織の問題への対処に、正解もゴールもない中で、学びと実践の繰り返しでこれからもずっと走っていたいという想いです。それは、私の何とつながるのかといえば、自己満足だと思います。

 

実家の会社が倒産する前に、経営者である父と一緒に走ることが出来なかった、その父が亡くなる前に、そのことに気付けなかった後悔を、いま目の前の企業において実現させていきたいという、とても自分勝手な自己満足だと気づくことが出来ました。

 

自己満足がモチベーションって、ゆるぎない感じがします。

 

労働者の権利と義務について考える

5月24日の新聞で見かけた記事

「男性4人に1人が育休嫌がらせ被害」 ~上司ら妨害、4割取得諦め~

 

制度はあっても、その制度をスムーズにつかってみんなにとって働きやすい環境をつくることはなかなかに難しいです。

 

今回新聞で目にしたのは男性の育休取得についてですが、ずっと以前から法律で決められている有給休暇ですらきちんと取得できていない職場は多いのではないでしょうか。

 

(労働者側)

◆上司は形ばかり「有給ちゃんととってね」と発言するが、実際に休むとなると嫌な顔をするので言い出しにくく、取得しないままたまっている。

◆休めるのは休めるが、何のために休むのか申告する決まりになっており、リフレッシュのための休暇は取りづらい。

◆家族と過ごす時間につかいたいと家族と日程調整し、上司に有給希望日を伝えたら、先に家族間で日程調整済みであることに対し嫌味を言われた上、他の日に変えるよう言われてしまった。

 

(雇用管理者側)

◆会社的なタイミングも考えずに自分の都合ばかり主張するので、快諾できない。

◆繁忙期にほかの人に迷惑をかけつつ休んだ上、遊んでいる様子をSNSにアップしたため、実は他の社員から不満がでている。

◆休暇は確かに権利ではあるが、現場が困らないか周囲の人への影響はどうかなどを考えて、もう少し言い方を考えてほしい。

 

実際にこれらの意見は、個別面談や担当者の方との話の中で聴いた言葉です。

双方ともに、考え方と言い方に問題があるなと感じます。

 

権利と義務のバランスを考えた言い方が出来ると、職場のコミュニケーションのさまざまな場面で役立ちます。

 

コミュニケーションに関する研修は、さまざまな企業に出かけてさまざまなお題で実施していますが、大事なことはひとつだと思っています。

 

職場のコミュニケーションにおいて大事なことは、『言わなくてもわかるだろう』をやめて『言わないと伝わらない』ことを前提に、言葉を増やしていくことです。

 

ただし上司の方については、“言わなくてもいい一言”や“しなくていい言い回し”にはご注意を。悪気はなくてもハラスメント発言になることもあります。

 

また、正論は正論なだけにもちろん正しいのですが、言い方・伝え方は工夫しないと、ただの正論をふりかざす人になってしまいます。