10月, 2021 | くわもとキャリア設計事務所-桑本玉枝      

個人のキャリア支援を組織の成長へとつなぐ

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【月別アーカイブ】2021年10月 |

キャリア支援者として私の在りたい姿

キャリアコンサルタントとして、約10年の就職支援の経験を経て、ひとり事務所をたちあげたのが2015年。現在7年目です。しごと柄、自分自身のいまと今後の方向性は定期的に確認し見直しをしています。

 

あらためて、私って中小企業の支援がしたいんだなあと思います。私が“したい”というだけでなく、するからには個別面談のスキルも向上させていきたいし、組織課題に応じたより実践的なキャリア研修もしたい。そしてキャリア面談と研修をセットで行うことで、組織課題の改善だけでなく、さらに生産性の高い組織にしていくことが可能だと、経営者の方に納得感のある提案をするスキルもあげていきたい。

 

そう考えると、お困りごとを抱えた中小企業の数に対して、その分野で役に立ちたい!というキャリアコンサルタントの数が少ないことも問題だと思います。中小企業の支援がしたい!というキャリコン仲間を増やすことも必要そうですが、さてどうしたものかなと。

 

長く契約を継続していただいている企業様の担当者の方と、あうんの呼吸ができていくのもうれしいです。中小企業では、人材育成を業務の一部として担当されているだけで、本来業務は専門職ということも多いです。にもかかわらず、私が月に何度か訪問して個別面談や研修を実施する際の、大事な大事なつなぎ役もしてくれます。

日々の業務に追われながらも、一方では自組織全体を俯瞰して必要な支援をオーダー出来る視点ももち、効率的に外部のキャリアコンサルタントをつかいこなしてもらうと、本当にうれしくなります。

 

2年、3年とその組織をよりよくしていこうと一緒に悩んでいると、だんだんと担当者の方が変わっていくのを感じます。担当者の方がいきいきと自組織のキャリア形成に取り組んでいかれるようになること、つまり外部キャリコンを頼らずとも、社内担当者を中心に自走できるようにしていくこと、これが外部キャリコンの目指す方向だと思っています。

 

自走できる組織づくりのお手伝いをしていきたい。

そこには「桑本さんのおかげで~になりました」と言わせてしまったらダメなのです。

 

「なんか知らんけど、桑本さんが定期的にきてわちゃわちゃと一緒に悩んでいろいろと取り組んでみているうちに、うまく進みだした!」という、桑本さんのおかげではなく、自分たちで苦しみつつも自組織のためにやってきた!という、やれば出来るという自己効力感が、自走の種になるのだと思います。

 

 

今日もある担当者さんからうれしいセリフを聞く場面がありました。

「キャリコンになりたいわけじゃなくて、自分の会社ぐらい自分たちで変えていけるようになりたい。」

 

中小企業の支援がしたい!というキャリコン仲間も増やしたいし、自分の会社くらい自分たちで変えていきたいという担当者も増やしたい。

しかも、「桑本さんのおかげ」じゃない形で。

 

まだまだたまえの野望はつきません。

 

目先の消火活動で仕事した気になっていたらジリ貧なんです!

今回はちょっと攻めた題名です。

管理職のみなさん、下の図の右上【問題・課題の領域】つまり、すでに“火事”として発生してしまったことへの対処で、いっぱいいっぱいになっていませんか?

右上ゾーンは、重要かつ緊急なので、起こってしまった案件に対しては、当然即対応すべきです。ただ、その即対応事案が次から次に起こって、ちぎっては投げちぎっては投げの状態が続いている場合、つい仕事をしている気になってしまうので、注意が必要です。

 

もっとも重要な左上【質の高い領域】の活動、つまり火の用心としての組織運営の活動に手を付けない限り、“火事”はまた起こるのです。よって、結局ずっと消火活動をしている、ということになります。

 

消火活動をしつつ、火の用心活動も同時進行で行っていくことが必要です。

大変ではありますが、まずはときどき自社の状態を俯瞰してみることからはじめてはいかがでしょうか。

 

緊急ではないが重要である、左上【質の高い領域】を眺めてみると、緊急でない時期にここが出来ていないと、“火事”として左から右に移行してしまい、緊急性をもって現れていることに気付くことができます。

 

左上【質の高い領域】の中でも、事業そのものや財務に関することは難しいですが、キャリアコンサルタントは“人”に関することの専門家なので、ここをお手伝いしています。

 

私は、組織の現状を正しく把握し、相談しながら無理のない範囲で、かつ手の付けやすいところから“火の用心”活動を展開していくよう心掛けています。中小企業ほど、小さな取組みでも効果が出やすいメリットがあると感じています。

 

参考にしていただけたらうれしいです。

うっかりパワハラ加害者にならず、支援者側になるために

このブログを読んでくださっている企業の労務管理担当者の方から

「パワハラに関すること多いよね」とご指摘いただきました。はい、たしかに多いと思います。

 

社員さんの生産性向上のために、面談やキャリア研修を実施しているわけですが、実際の相談場面では

「このまま放置していると、パワハラ問題に発展しそうな案件」

もしくは「既にパワハラ問題に発展しつつある案件」が非常に多いと感じます。

 

実際にその上司の方の言動がパワハラかどうかは別として、部下は何らかのメンタル不調を訴えており、その原因と思われるのは、上司の方の「悪気はなかった、そんなつもりで言ってたんじゃない」というものです。

 

下記の図はメンタルヘルス研修などでよく使われる職業性ストレスモデルです。

一番左の【仕事上のストレス要因】これが上司による(部下を思って悪気なく)繰り返された嫌味や(同じ失敗を繰り返さないようにと部下を思って、でも結果的に)人格を否定するような叱責などです。

 

図の左から右に進んでいくと、上から【個人的要因】つまりもともとの性格や考え方の偏りなども影響し、さらに下から【仕事外のストレス要因】も重なって、【ストレス反応】として心理的反応や生理的反応(身体症状)、行動化(遅刻や欠勤、事故など)が出始め、手を打たなければ【メンタルヘルス不調】へと進んでしまうわけです。

ひとつだけ赤字で示されている【緩衝要因】上司、同僚、家族からの支援とあります。

赤字で示されているのは、仕事上・仕事外のストレス要因があって、個人的な要因も重なったからといって、すぐにストレス反応へとつながるのではなく、そこに緩衝要因として支援を受けることで、ストレス反応を抑えることができる、ということを示しています。

 

この緩衝要因の中に、外部のキャリアコンサルタントである私も入ると思っています。

緩衝要因として支援する以上、その社員さんのストレスの原因がパワハラにあたるか否か?!を判断して対処するのではなく、まずはそのパワハラをうけた(と感じた)社員さんの気持ちや身体的な状態をていねいに聴き、どうするのがいいのかを一緒に考えます。

 

メンタルヘルスの問題として寄り添ってていねいに支援をしていくことで、原因がどうだったか(あの上司のあの言動がパワハラだったかどうか)ではなく、心身ともに健康で働きつづけるために自分がどうあるべきか、に気持ちが向いていきます。

 

カウンセラーやコンサルタントでなくても、ともに働く仲間として誰でも【緩衝要因】になることは可能です。お互いに助け合い声を掛け合うことで、働きやすい職場を自分たちでつくっていくことにつながるのだと思います。

褒めているつもりの上司 と もっと褒めて!の部下

中小企業にとって、従業員満足度を高める経営は限界があります。

そこで最近言われているのが『エンゲージメント経営』

 

会社から与えられる物質的価値(待遇面をよくするなど)で働きやすさを高めていくのではなく、会社との信頼関係を土台として、個人の成長や働きがいを高めることで組織価値を上げていこうというもの。

 

こんな風に書くと堅苦しいのですが、まずは個人の成長や働きがいが感じられる職場ってどんなだろうってイメージしてみませんか?

タダで、今すぐできて、意識をすれば誰にでもできる、【承認のことばかけ】を増やすことからはじめてはどうでしょうか。

 

研修依頼をいただくと、コミュニケーション研修にかぎらず、メンタルヘルスの研修でもハラスメントの研修でも、【承認のことばかけ】については、しれっと内容に混ぜてお話するようにしています。

社内でどんな言葉が交わされているか、は職場風土をつくる大事な要素だと思うからです。

 

「そんなことは出来てあたりまえ」

「立場上、厳しく言わないといけない」

「褒めると調子にのって、それ以上成長しなくなるのでは」

「期待しているレベルに達していなければ、褒めるに値しない」

「できていないことをきちんと指摘することの方を重要視している」

 

などなど、管理職対象の研修などで“褒めない理由”がわんさか出てくる職場もあります(笑)

私が部下なら泣いちゃうなぁと思いながら、そういった厳しい時代に生き抜いてきた方々が、いま管理職として会社を支えておられるのだと考えると、理解はできます。

 

2017年日本生産性本部「職場のコミュニケーションに関する意識調査結果」によると、

上司は褒めているつもりでも、部下は褒められていると感じていない場面もあるようです。

 

「褒める」や「叱る」は、褒めるべき場面や叱るべき場面で行う行為です。

私がオススメしているのは、そういった特別な場面ではない【承認の言葉かけ】です。

 

(まだ結果が出てなくても)「〇〇さん、頑張ってるね!」とプロセスを承認する。

(まだ行動にうつしてなくても)「〇〇さん、気合入ってるね!」やる気を承認する。

(当たり前の小さなことでも)「〇〇さんがいつも~してくれるから助かってるよ」行動を積み重ねていることを承認する。

なんなら、「〇〇さんがいてくれるだけで、安心するよ」など存在自体を承認する。

 

ちゃんと見ているし認めている、いちいち口にしないだけだ、という方も多いですが、ポイントは、ことばにして相手に伝えることです。

ことばの数だけ、見てくれている、という信頼が重なって厚みを増していきます。

 

そういった日常の言葉かけで信頼関係の土台があるからこそ、特別な場面で「褒める」も「叱る」も効果が倍増するのだと思います。