6月, 2021 | くわもとキャリア設計事務所-桑本玉枝      

個人のキャリア支援を組織の成長へとつなぐ

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【月別アーカイブ】2021年 6月 |

法人全体で新人・若手職員研修を行うことの意味

長いお付き合いとなっている、特別養護老人ホームなりすなさんとは、法人契約をさせていただいています。

【社会福祉法人 青谷福祉会】(https://www.tottori-aofuku.jp/には、

特別養護老人ホームなりすな、デイサービスなりすな、児童養護施設青谷こども学園の3つの施設があります。

 

これまでは、職員数約80名と一番規模の大きい特養を中心に、個別の面談や階層別研修などお手伝いをさせてもらっていました。

今回、入職5年以内の職員さんを中心に、3つの施設より集まってもらい、『新人・若手職員研修』を実施しました。

 

法人本部事務局長の今回の研修への想いは、

①これまで(入職から今日まで)を適切に振り返り、ここまで頑張ってきた自分を認め、今後に向けて適切な目標設定ができるようになってほしい。

②職場で信頼できる人をつくってほしい   ということでした。

 

利用者さん第一の地域に愛される施設にするためには、職員の資質向上と同時に、すべての職員が青谷福祉会に勤めて良かった、と感じてもらえる施設づくりを行うことが大事、と考えておられます。

先日ご紹介した、中堅リーダー養成研修の中でも参加者の関心が高かった『エンゲージメント経営』、ここにつながる内容にもなったと思います。

 

会社との絆・信頼関係を強固にし、成長や働きがい、一体感の感じられる“場”づくりとしました。

メンタルヘルスの観点でも、新しい職場、新しい人間関係、生活環境の変化など、負担の大きいときです。入職5年のちょっぴり先輩は、新人の頃の不安やしんどさをまだ昨日のことのように思い出せるはず。自己開示、他者理解を盛り込んだグループワーク多めの研修の中で、お互いを知って大切にしようとする姿がそこここで見られ、つながりをつくることが出来たようです。

 

そもそも『社員のキャリア形成支援に時間とお金をかけて、今日みたいな研修をしてくれる会社は、最近はなかなかないよ』という話は、事実であっても、法人内部の人がすると恩着せがましくていやらしくなりがちです(笑)

外部のコンサルタントが言うから、新人・若手の人たちにすっと入り『そうなんだー』となります。

 

そして、実際にこれから順次、この新人さんたちを一人ずつ面談でフォローしていきます。

 

鳥取県内中小企業のリーダー層は、イキイキしてました!

鳥取県職業能力開発協会さんの、「中堅リーダー養成研修」で講師登壇させてもらいました。

【鳥取県職業能力開発協会 令和3年度中堅リーダー養成研修】

 

鳥取会場、米子会場各16名定員のところ、両会場とも15名ずつの参加でした。

鳥取県内中小企業の、実にさまざまな業種、職種、役職の方々です。

 

会社によって、中堅リーダーと判断される層は違うので、肩書としては一般職の方から課長級の方まで、幅広く参加がありました。

最近は得たい情報があると、まずはネットで調べるのが一般的です。それを踏まえると、例えば今回参加の中堅リーダーの方々が、リーダーシップやマネジメントに悩んだ際には、ネットや書籍はまずおさえておられる可能性が高いと思います。知識は各自で手に入れられる時代になりました。それも自分に合った方法で、より欲しい情報を、欲しいその時に。

 

そういった意味で、今回のような鳥取県内の企業人がリアルに会場に集まって学ぶ場は、非常に貴重であり、その貴重な機会に何を提供すべきか?を考え、内容は幅広くかつ実践的なプログラムとしました。

 

ワークを体験 ➡ 4人班で感じたことを共有 ➡ 全体共有 ➡ 講師まとめ(ワークの捉え方について、また自社に持ち帰っての使い方解説)

この繰り返しにより、一日をとおしてたくさんのワークから、体験学習をしてもらいました。

 

中堅リーダーの立場の人に何をどこまで求めるか?は会社によって違いますが、それをまずは個々で考え、4人班の中で共有し、他社・他者との違いを感じ、「さて、自分の場合はどうしようか」と考えてもらうステップです。

『業種も職種も、役職も違えど、同じようなことに悩んでいた仲間』の話を聴くことにより、改めて自社で自分に求められていることを“考える機会”となったのはもちろん、講師の一方通行のレクチャーよりも、仲間の体験談は実践するイメージがわきやすかったようです。

 

中小企業が余剰人員を抱えることは難しく、かつ最近の人手不足も手伝って、中堅リーダー層も日々の業務を回すので手一杯です。自分の役割について俯瞰して考えるという時間はとれていなかったと思います。ネットで出てくるような一般論ではなく、県内中小企業の中堅リーダーの立場の仲間たちが、そんな中でもどうもがいているか?を共有することで「元気がでた」「自分に足りないものが分かった」「まずは~から実践していきたい」「同様の内容の研修を自社の人にも受けてもらいたい」など、前向きな感想をたくさんいただきました。

 

誰が一番元気になったのか?それは私自身だと思います。

日頃もそれぞれの業務でいっぱいいっぱいなハズなのに、何とか自分らしいリーダー像を見つけていこうと、一日中頭から煙が出そうな勢いでワークに挑んでいただき、感動しました。

 

今回はそんな参加者の想いを形にするため、主催者側も感染対策についてかなりの配慮をしてくださいました。

パーテーションを購入して当日設置、また必要に応じて使ってもらえるようフェイスガードの配布など、県内の状況は安定しているといっても、コロナ渦にあって安心して参加できなければ意味がありません。

 

鳥取県内の中堅リーダーの方々、それを応援したい人たちは、みなさんイキイキしているのを感じ、私が一番元気をもらったと思います。

気づいてしまったら泣けてきた

先日、キャリアコンサルタントのある講座を受講したくて、書類選考を受けました。

その選考課題のひとつに、

◆自分の志(なぜ私はキャリア支援の仕事をするのか、何を実現しそれは私の何とつながるのか

という項目がありました。

 

いろんな場面で自己紹介をすることは増えていて、現在の仕事内容やそこで大事にしている価値観などは、自分の中でも整理できています。

ただ、今回のこの問いに真摯に向き合ったことで、あいまいだった根っこの部分がむき出しになり、そしてまさに今の自分自身とつながった衝撃をうけました。

 

30代前半のころ、仕事の関係でたまたま大学生と一緒に受講した、キャリアに関する講座をきっかけに、キャリア支援を仕事にしたい!と思いました。それからキャリアコンサルタントの養成講座を受講し、資格を取得し、ハローワークでキャリア支援の仕事をし、1級技能士に合格したタイミングで、企業分野でのキャリア支援にシフトしました。

 

独立起業したから「今後はすべて自分の責任でやっていかねば!」という気負いが強まり、この7年全力投球してきたのだと思っていました。この“問い”にあうまでは。

 

選考課題の文章を何度も読み返すうち、これまでのことが一気につながりました。

私が中小企業のキャリア支援をヒリヒリするような想いで全力投球してしまうのは、鳥取県内で従業員30人ほどの会社を2代目として経営していた父の姿を見ていたからだと。

 

母は経理を担当し、私も幼い頃から会社事務所で社員さんたちにかわいがってもらい、もの心ついた頃には家庭で経営会議のようなことが行われるのも自然なことでした。今思えば、その頃は家庭内においても、会社の財務の問題、事業そのものの問題、人や組織の問題など、身近にあったように思います。

私が中小企業のキャリア支援に没頭するのは、父がいつも悩み考えていた、従業員がいきいきと働ける職場づくりをしたい、ただそれだけだなと。私の根っこにあるのは、それ以上でも以下でもないなと気づきました。

 

実現したいのは、労働者一人ひとりがいきいきと働ける職場づくりです。そのために、従業員さんに面談という形で直接かかわることもあれば、会社を我が子のように大事に思っておられる経営者の方と、一緒に考えるという役割りも大切にしています。

 

人や組織の問題への対処に、正解もゴールもない中で、学びと実践の繰り返しでこれからもずっと走っていたいという想いです。それは、私の何とつながるのかといえば、自己満足だと思います。

 

実家の会社が倒産する前に、経営者である父と一緒に走ることが出来なかった、その父が亡くなる前に、そのことに気付けなかった後悔を、いま目の前の企業において実現させていきたいという、とても自分勝手な自己満足だと気づくことが出来ました。

 

自己満足がモチベーションって、ゆるぎない感じがします。

 

労働者の権利と義務について考える

5月24日の新聞で見かけた記事

「男性4人に1人が育休嫌がらせ被害」 ~上司ら妨害、4割取得諦め~

 

制度はあっても、その制度をスムーズにつかってみんなにとって働きやすい環境をつくることはなかなかに難しいです。

 

今回新聞で目にしたのは男性の育休取得についてですが、ずっと以前から法律で決められている有給休暇ですらきちんと取得できていない職場は多いのではないでしょうか。

 

(労働者側)

◆上司は形ばかり「有給ちゃんととってね」と発言するが、実際に休むとなると嫌な顔をするので言い出しにくく、取得しないままたまっている。

◆休めるのは休めるが、何のために休むのか申告する決まりになっており、リフレッシュのための休暇は取りづらい。

◆家族と過ごす時間につかいたいと家族と日程調整し、上司に有給希望日を伝えたら、先に家族間で日程調整済みであることに対し嫌味を言われた上、他の日に変えるよう言われてしまった。

 

(雇用管理者側)

◆会社的なタイミングも考えずに自分の都合ばかり主張するので、快諾できない。

◆繁忙期にほかの人に迷惑をかけつつ休んだ上、遊んでいる様子をSNSにアップしたため、実は他の社員から不満がでている。

◆休暇は確かに権利ではあるが、現場が困らないか周囲の人への影響はどうかなどを考えて、もう少し言い方を考えてほしい。

 

実際にこれらの意見は、個別面談や担当者の方との話の中で聴いた言葉です。

双方ともに、考え方と言い方に問題があるなと感じます。

 

権利と義務のバランスを考えた言い方が出来ると、職場のコミュニケーションのさまざまな場面で役立ちます。

 

コミュニケーションに関する研修は、さまざまな企業に出かけてさまざまなお題で実施していますが、大事なことはひとつだと思っています。

 

職場のコミュニケーションにおいて大事なことは、『言わなくてもわかるだろう』をやめて『言わないと伝わらない』ことを前提に、言葉を増やしていくことです。

 

ただし上司の方については、“言わなくてもいい一言”や“しなくていい言い回し”にはご注意を。悪気はなくてもハラスメント発言になることもあります。

 

また、正論は正論なだけにもちろん正しいのですが、言い方・伝え方は工夫しないと、ただの正論をふりかざす人になってしまいます。

中小企業には難しい、と言う前に考えてほしいこと

これまでにも何度か登場している、スティーブン・R.コビー氏の、著書『7つの習慣』に出てくる【時間管理のマトリクス】

日々、いろんな企業をまわらせていただく中で、この図を思い出さない日はほとんどありません。

[参考文献]スティーブン・R.コビー(著)-1996-7つの習慣-成功には原則があった!

 

第1領域(問題課題の領域)  緊急度:高い/重要度:高い

第2領域(質の高い領域)   緊急度:低い/重要度:高い

第3領域(見せかけの領域)  緊急度:高い/重要度:低い

第4領域(無駄な領域)    緊急度:低い/重要度:低い

 

まず、今かかえている自分自身の仕事を因数分解して、一つひとつ4つの領域のどこにあてはまるか、考えて割り振ってみましょう。どの領域の業務が多いでしょうか?

 

重要度の高い第1領域の事柄は、緊急性も高いため実行される可能性が高いです。

同じく重要度の高い第2領域の事柄は、緊急性が高くなく、かつ成果が上がるまでに時間がかかることが多いため、後回しにされがちです。

 

コビー先生は、『第1領域に日々忙殺されて、緊急中毒になってはいないか?』ということも指摘されています。目の前のことに追われている状態に、仕事をした気になってはいないか?という厳しいご意見です。

 

労働者でも経営者でも、ストレス耐性の高い人は

『毎日やらないといけないことが山ほどある。けど、それに追われていたらその状態から抜け出せない。だから出来ることから少しずつ“予防”や“計画的な取り組み”をやっていきたい。』と言われます。

 

一方でなかなかその状態から抜け出せない人は、上記の発言の順番が“逆”です。

『そりゃあ“予防”や“計画的な取り組み”が大事なことは分かっている。けど、毎日やらないといけないことが山ほどあって、今は難しい。』

 

個人の相談の場合は、(いまは、将来にむけた考えが浮かばないくらい、日々に忙殺されているタイミングなんだな)と考え、寄り添いながら時期を待ちます。

 

これが組織全体の決定を行う担当者という場合はどうでしょうか?担当者個人が日々の業務に忙殺されて、メンタルヘルス対策や長期的なキャリア形成支援といったことを後回しにしていたら・・・。

 

ただ、経営者ではないイチ担当者が日々に忙殺されて、全社的な取り組みを怠ったからと言って、責めるのはあまりにも酷だと感じます。

とくに、中小企業の場合は経営者の方に、ぜひこの考えを意識していただきたい。

そして、日々の業務に追われつつも第2領域の業務に責任もって取組んでくれる担当者を、大切にしていただきたいなと思います。実はそういったイチ担当者のかげの努力が、会社全体を支えている、ということが中小企業では少なくありません。