6月, 2021 | くわもとキャリア設計事務所-桑本玉枝      

個人のキャリア支援を組織の成長へとつなぐ

お問い合わせフォーム

            

【月別アーカイブ】2021年 6月 |

気づいてしまったら泣けてきた

先日、キャリアコンサルタントのある講座を受講したくて、書類選考を受けました。

その選考課題のひとつに、

◆自分の志(なぜ私はキャリア支援の仕事をするのか、何を実現しそれは私の何とつながるのか

という項目がありました。

 

いろんな場面で自己紹介をすることは増えていて、現在の仕事内容やそこで大事にしている価値観などは、自分の中でも整理できています。

ただ、今回のこの問いに真摯に向き合ったことで、あいまいだった根っこの部分がむき出しになり、そしてまさに今の自分自身とつながった衝撃をうけました。

 

30代前半のころ、仕事の関係でたまたま大学生と一緒に受講した、キャリアに関する講座をきっかけに、キャリア支援を仕事にしたい!と思いました。それからキャリアコンサルタントの養成講座を受講し、資格を取得し、ハローワークでキャリア支援の仕事をし、1級技能士に合格したタイミングで、企業分野でのキャリア支援にシフトしました。

 

独立起業したから「今後はすべて自分の責任でやっていかねば!」という気負いが強まり、この7年全力投球してきたのだと思っていました。この“問い”にあうまでは。

 

選考課題の文章を何度も読み返すうち、これまでのことが一気につながりました。

私が中小企業のキャリア支援をヒリヒリするような想いで全力投球してしまうのは、鳥取県内で従業員30人ほどの会社を2代目として経営していた父の姿を見ていたからだと。

 

母は経理を担当し、私も幼い頃から会社事務所で社員さんたちにかわいがってもらい、もの心ついた頃には家庭で経営会議のようなことが行われるのも自然なことでした。今思えば、その頃は家庭内においても、会社の財務の問題、事業そのものの問題、人や組織の問題など、身近にあったように思います。

私が中小企業のキャリア支援に没頭するのは、父がいつも悩み考えていた、従業員がいきいきと働ける職場づくりをしたい、ただそれだけだなと。私の根っこにあるのは、それ以上でも以下でもないなと気づきました。

 

実現したいのは、労働者一人ひとりがいきいきと働ける職場づくりです。そのために、従業員さんに面談という形で直接かかわることもあれば、会社を我が子のように大事に思っておられる経営者の方と、一緒に考えるという役割りも大切にしています。

 

人や組織の問題への対処に、正解もゴールもない中で、学びと実践の繰り返しでこれからもずっと走っていたいという想いです。それは、私の何とつながるのかといえば、自己満足だと思います。

 

実家の会社が倒産する前に、経営者である父と一緒に走ることが出来なかった、その父が亡くなる前に、そのことに気付けなかった後悔を、いま目の前の企業において実現させていきたいという、とても自分勝手な自己満足だと気づくことが出来ました。

 

自己満足がモチベーションって、ゆるぎない感じがします。

 

労働者の権利と義務について考える

5月24日の新聞で見かけた記事

「男性4人に1人が育休嫌がらせ被害」 ~上司ら妨害、4割取得諦め~

 

制度はあっても、その制度をスムーズにつかってみんなにとって働きやすい環境をつくることはなかなかに難しいです。

 

今回新聞で目にしたのは男性の育休取得についてですが、ずっと以前から法律で決められている有給休暇ですらきちんと取得できていない職場は多いのではないでしょうか。

 

(労働者側)

◆上司は形ばかり「有給ちゃんととってね」と発言するが、実際に休むとなると嫌な顔をするので言い出しにくく、取得しないままたまっている。

◆休めるのは休めるが、何のために休むのか申告する決まりになっており、リフレッシュのための休暇は取りづらい。

◆家族と過ごす時間につかいたいと家族と日程調整し、上司に有給希望日を伝えたら、先に家族間で日程調整済みであることに対し嫌味を言われた上、他の日に変えるよう言われてしまった。

 

(雇用管理者側)

◆会社的なタイミングも考えずに自分の都合ばかり主張するので、快諾できない。

◆繁忙期にほかの人に迷惑をかけつつ休んだ上、遊んでいる様子をSNSにアップしたため、実は他の社員から不満がでている。

◆休暇は確かに権利ではあるが、現場が困らないか周囲の人への影響はどうかなどを考えて、もう少し言い方を考えてほしい。

 

実際にこれらの意見は、個別面談や担当者の方との話の中で聴いた言葉です。

双方ともに、考え方と言い方に問題があるなと感じます。

 

権利と義務のバランスを考えた言い方が出来ると、職場のコミュニケーションのさまざまな場面で役立ちます。

 

コミュニケーションに関する研修は、さまざまな企業に出かけてさまざまなお題で実施していますが、大事なことはひとつだと思っています。

 

職場のコミュニケーションにおいて大事なことは、『言わなくてもわかるだろう』をやめて『言わないと伝わらない』ことを前提に、言葉を増やしていくことです。

 

ただし上司の方については、“言わなくてもいい一言”や“しなくていい言い回し”にはご注意を。悪気はなくてもハラスメント発言になることもあります。

 

また、正論は正論なだけにもちろん正しいのですが、言い方・伝え方は工夫しないと、ただの正論をふりかざす人になってしまいます。

中小企業には難しい、と言う前に考えてほしいこと

これまでにも何度か登場している、スティーブン・R.コビー氏の、著書『7つの習慣』に出てくる【時間管理のマトリクス】

日々、いろんな企業をまわらせていただく中で、この図を思い出さない日はほとんどありません。

[参考文献]スティーブン・R.コビー(著)-1996-7つの習慣-成功には原則があった!

 

第1領域(問題課題の領域)  緊急度:高い/重要度:高い

第2領域(質の高い領域)   緊急度:低い/重要度:高い

第3領域(見せかけの領域)  緊急度:高い/重要度:低い

第4領域(無駄な領域)    緊急度:低い/重要度:低い

 

まず、今かかえている自分自身の仕事を因数分解して、一つひとつ4つの領域のどこにあてはまるか、考えて割り振ってみましょう。どの領域の業務が多いでしょうか?

 

重要度の高い第1領域の事柄は、緊急性も高いため実行される可能性が高いです。

同じく重要度の高い第2領域の事柄は、緊急性が高くなく、かつ成果が上がるまでに時間がかかることが多いため、後回しにされがちです。

 

コビー先生は、『第1領域に日々忙殺されて、緊急中毒になってはいないか?』ということも指摘されています。目の前のことに追われている状態に、仕事をした気になってはいないか?という厳しいご意見です。

 

労働者でも経営者でも、ストレス耐性の高い人は

『毎日やらないといけないことが山ほどある。けど、それに追われていたらその状態から抜け出せない。だから出来ることから少しずつ“予防”や“計画的な取り組み”をやっていきたい。』と言われます。

 

一方でなかなかその状態から抜け出せない人は、上記の発言の順番が“逆”です。

『そりゃあ“予防”や“計画的な取り組み”が大事なことは分かっている。けど、毎日やらないといけないことが山ほどあって、今は難しい。』

 

個人の相談の場合は、(いまは、将来にむけた考えが浮かばないくらい、日々に忙殺されているタイミングなんだな)と考え、寄り添いながら時期を待ちます。

 

これが組織全体の決定を行う担当者という場合はどうでしょうか?担当者個人が日々の業務に忙殺されて、メンタルヘルス対策や長期的なキャリア形成支援といったことを後回しにしていたら・・・。

 

ただ、経営者ではないイチ担当者が日々に忙殺されて、全社的な取り組みを怠ったからと言って、責めるのはあまりにも酷だと感じます。

とくに、中小企業の場合は経営者の方に、ぜひこの考えを意識していただきたい。

そして、日々の業務に追われつつも第2領域の業務に責任もって取組んでくれる担当者を、大切にしていただきたいなと思います。実はそういったイチ担当者のかげの努力が、会社全体を支えている、ということが中小企業では少なくありません。