3月, 2021 | くわもとキャリア設計事務所-桑本玉枝      

個人のキャリア支援を組織の成長へとつなぐ

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【月別アーカイブ】2021年 3月 |

キャリアコンサルタントの更新講習しています

キャリアコンサルタントは、国家資格化されて5年をむかえます。

更新をするためには、知識講習を8時間以上、技能講習を30時間以上受ける必要があります。

知識・技能の継続的な自己研鑽に努めることで、資質を保証しようというものです。

 

今回は『中小企業における効果的なキャリア形成支援』という更新講習の講師を務めました。

朝9時半から夕方4時半までのZOOMを使ったオンライン講座です。全国から18名の方に参加いただきました。

 

朝の自己紹介で『就職支援ではなく、企業内の領域で活動をしていきたいが、それを学ぶ場が少ないと感じていたので、題名を見て受講を決めた。』と教えてくださった方がおられ、身の引き締まる想いでスタートすることができました。

 

キャリアコンサルタントの育成の分野で、私が出来ることって何だろう?

更新講習で、私が語る意味って何だろう?

 

私が日々行っている企業支援の現場のリアルと理論をつなげてお伝えすることかなと、私なりに考えています。中でも、中小企業の経営者の方に、キャリア形成支援にお金と時間をかけるメリットを伝えられる“口をもつ”ことが、私たちキャリアコンサルタントには大事だと常々考えているので、それを講習の中でお伝えました。

講習後、受講いただいた方からメールが届きました。

『鳥取県で、キャリコンとして独立起業できていることに驚いた。田舎の会社では、キャリア形成にお金をかける意識が低いと感じていたが、課題の解決に向けた提案が出来ていなかっただけで、こちら側のやり方の問題だと感じた。机上の話ではなく、現場の話が聞けて実務レベルで参考になった。私もキャリア形成の重要性が説明できる、“口をもつ”ことに磨きをかけていきたい』

 

とてもとてもうれしかった。

自分の中で(本当にこれでいいのか?)とやっていたことが、私がこの講座をする意味が明確になった瞬間でした。

企業分野で活動するキャリアコンサルタントが、もっともっと増えたらいいのにと考えています。

私の企業分野での活動について具体的にお伝えすることで、自分もやってみよう!と思ってもらえるきっかけにしていきたいと思っています。

何かを変えたいときの最初の一歩

『他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。』

これは、カナダの精神科医エリック・バーン博士のことばです。

 

『他人と過去は変えられない』ということも、『自分と未来は変えられる』ということも、ことばにしてみると、ごくごくアタリマエのことだと頭では理解できます。

 

企業への訪問支援でカウンセリングをしていると、こんな方が多くおられます。

 

『あの時、あの人があんなことを言ったから、私は自分の意見が言えなくなってしまった』

と、過去の出来事に囚われたまま、『変えられる自分と未来』は何もしないで嘆いている。

『まずはあの上司が言い方を直してくれないと、職場の雰囲気なんてよくならない』

と、他者が変わる方が優先だと、『変えられる自分と未来』は何もしないで嘆いている。

ごくまれに、同じような経営者の方に出会うこともあります。

『わが社の社員は全体的にモチベーションが低いんです。成長しようという意欲が感じられない。育った環境なのか、これまでいた会社の影響なのか・・・。まずは社員がヤル気になってくれないことには、会社としての人材育成も意味がないんです。』

 

あれ(過去)のせいで、あの人

(他人)が変わってくれないと、自分は変われない。

 

過去そのものを変えることは出来なくても、過去の“価値”や“意味”を捉え直すことはできます。

 

あの時(過去)、あの人(他人)があんなことをした(言った)から、そのおかげで今の自分がある。

すべてのことに意味がある。と、考えてみると、なにか変わってきませんか?

 

過去と他人を捉え直して認めたとき、自分と未来を引き受けることができます。

望む未来をつくるために、自分にできるなにか、を一緒に考えていきましょう。

キャリアコンサルタントの息子が選んだ就職

わたくし事ですが、息子が就職します。

本人がとても行きたがっていた都内の私立大学に落ち、横浜の公立大学に進みました。

 

大学は学問を学びに行くのではなく、社会に放り出される前の『生き方学習』の4年間として体験してくるように、と教えていました。そのためにかかる費用を親が負担するのだから、留年はゆるさない。逆に留年さえしなければ、すれすれで構わないから要領よく単位を取ること。そういったことも、社会に出てからきっと役に立つから、と。

 

それ以外のルールは、

 

① 部活やサークル活動に打ち込む

② すてきな恋をする

③ さまざまなアルバイトを積極的に体験する

4年間、①~③の教えを守りつつ、いろんな体験をした息子。

③のアルバイトでは、時給がいいからと家庭教師の会社の営業職を体験し、訪問したご家庭のご主人に怒鳴られて帰ってきたり、契約がとれずに社長に怒られたりといろいろあったようです。

 

そんな経験を経て、3年生のときには『お母さんのような仕事にも興味がある』と、キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの養成講座にも通いました。またコロナで大学の授業もオンラインになった頃には、プログラミングも勉強しておきたい、とオンラインの講座で学びました。

 

そんな息子が就職先に選んだのは、『評価制度』の導入支援を行うベンチャー企業。

 

全国に支社のある会社だけど、本社配属になったようなので、またしばらく会えません。

大学3年生、コロナ発生前のお正月に帰省したのが最後でした。

めでたく卒業、4月1日は入社式だそうです。

 

『息子へ』

誕生日、おめでとう。 卒業、おめでとう。 就職、おめでとう。

ああ、こんなにめでたいことづくしなのにね、この春はコロナちゃんのせいで一緒に過ごせないね。

でも、おかげで子離れするしかない状況になって、一人でいろいろ考えています。

 

離れて暮らすようになってこの4年間、大きなケガも病気もなく、事件や事故に巻き込まれることもなく過ごしてくれました。何かあっても駆けつけるのに時間がかかる距離で、母はただ(何ごともありませんように)と祈っていましたよ。

一方で「毎日が夏休み!」と、のたまった君は、大学生活をちゃんと楽しんでくれました。

こないだの電話で、「負け惜しみでなく、行きたかった大学ではなくて今の大学に進んで良かった。バイトも、ファミレスの面接に落ちて、そのおかげで家庭教師営業のバイトで泣くほどしんどい想いも体験できて良かった。結果、今の会社の営業職を選ぶことにつながった。僕は本当に運がいい。」

 

って聞いたときには、ハズカシイけど、「いい子に育ったなぁ」なんてかあちゃん泣けてきたよ。

 

これからも、何があっても“想定内”。社会人は「毎日が夏休み!」とはいかないと思うけど、きっと毎日いきいきと仕事に向かうんだろうなー。

 

「働く人」の支援をするという共通の仕事を、東京の息子も頑張っていると思うと、鳥取にいるかあちゃんも背すじののびる想いです。

 

ありがとう。そして、おめでとう。

人材育成の費用対効果

『キャリア面談や研修にそれだけ時間や費用をかけて、どんな効果があるの?』

人材育成担当者からは聞かれませんが、経営者からはときどき聞かれます。

 

人材育成担当者は、文字通り自分の担当業務として“人・組織”を中心に考えればいいのですが、

経営者はほかにもお金のこと、事業戦略のこと、コンプライアンスのことなど、さまざまな課題をにらみながら日常をおくっておられるので当然です。

 

では、さいしょの質問に対して、キャリアコンサルタントとしてどう応えるか?

一般論での説明だとこんな感じでしょうか。

 

「人材育成というのは、時間と労力はかかりますが、長期的にはかかった分以上の会社の大きな利益となって還元され、さらに継続していくことで将来的にもより大きな利益につながることが予想できます。目先の費用やかかる時間にとらわれるのでなく、一歩先の未来を視野に入れて人材育成を継続していくことが重要です。」

・・・・これだと、やっぱり目先の費用やかかる時間の方が気になってしまいますよね。

 

「今、人手不足なんだけど!売上も下がっているから、経費はかけるよりも削りたいんだけど!」

と返ってきそうです。

 

私たちキャリアコンサルタントは、その組織のもつ課題に対して、一歩先の未来を提案できる“口”をもつべきだろうと思います。そして、人材育成を何のために行うのか、どんな目標をもって行うか、を経営者含め社内で意思統一しておくことが重要です。

 

私たちキャリアコンサルタントは組織開発の専門家ではありますが、

会社が、組織が、経営者や担当者が、人材育成に取り組もうというとき、外部からお手伝いをすることしかできないのです。

まずは経営者の方からの冒頭の質問には、【それは私の(私の会社の)問題だ】という認識を深めてもらい、共に考えるという姿勢でかかわっていきたいと思います。

社内で相談をうけるとき、大切にしたいことば

私は社外の相談窓口として、契約先企業を巡回して社員さんのお話を聴いています。

よく言われるのが「こんな話、社内の人には言えない。外部の人だから話せた。」というもの。

社内個別面談(周知用チラシ)

 

(よくある相談をチラシにしています。)

 

相談の内容は多岐にわたります。

もちろん「自律的に自分のキャリアを構築していきたいので、キャリアコンサルティングを体験してみたい!」という方が一番多いのですが、中には何らかの悩みを抱えていて働き方や仕事について考える余裕がない、という方もおられます。

その場合は、相談内容に合わせてカウンセリングを行ったり、専門機関について情報提供するなど、支援を切り替えます。

 

これが、外部の者への相談ではなく、もし内部の社内相談窓口に指定されている社員さんに持ち込まれた相談だった場合はどうでしょうか?

 

社内相談担当者の方にコンサルタントやカウンセラーレベルの相談スキルを求めるのは厳しいと思います。そういった担当者の方から「責任が重くて担当を外れたい」というお話もよく聞きます。

 

そんな社内相談担当者の方に、最初の段階で心がけておくだけで信頼関係が築きやすい、魔法の言葉を提案します。

 

「あなたの抱えていたつらい気持ち、相談してくれてありがとう。勇気がいりましたよね。」

メンタルヘルスに関する相談だった場合、社内の人に相談すると評価が下がるのでは、という心配があって言いたくないというケースが多いようです。

ハラスメントに関する相談だった場合、セクハラだと「自意識過剰では?」といった対応をされたことが過去にあって言いたくない、パワハラだと加害者の方が会社で成果を出している上司というケースが多く(会社が守ってくれないのでは)という心配があって言いたくないというケースが多いようです。

 

そういった心理がはたらいたにもかかわらず、社内相談担当の自分に話をしてくれた、と捉えると

「あなたの抱えていたつらい気持ち、相談してくれてありがとう。勇気がいりましたよね。」

 

自然と、このことばから相談をスタートしたくなりませんか。